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法科大学院が、新司法試験で不合格となった修了生のため、あの手この手の支援に乗り出している。専用の自習室を開設したり、インターネットで判例を提供して勉強を助けたり。講義の準備を手伝う職員に採用し、生活ごと面倒を見るケースもある。
「従来の競争主義を排し、幅広い見識を身につけた法曹を養成する」との理念を掲げた法科大学院だが、昨年は合格者数や合格率を巡って一喜一憂が繰り広げられた。手厚いケアの背景には、合格実績がふるわなければ学生側にそっぽを向かれるという事情があり、スタート2年目にしてサバイバル合戦の様相を深めている。
昨年5月に行われた初の新司法試験には、法学部の卒業生らを対象とする法学既修者コース(2年)を修了した2091人が挑戦。合格者は1009人で、合格率は48・25%。合格率が3%台だった従来の司法試験に比べれば、法曹への道は大きく広がったが、法科大学院の乱立によって、修了生の70〜80%が合格という当初の資格試験的な構想とはかけ離れ、予想以上に膨らんだ“浪人”対策が不可欠になった。
88人が受験し、53人が不合格となった同志社大は個人専用の机を設けた24時間利用可能な自習室(55席)を用意した。利用料は半年6万円。「同じ目標を持って勉強している人がいるから刺激になる」と、利用者の一人(30)は話す。
50人中32人が不合格だった関西大はネット上に修了生専用の掲示板を開設し、注目すべき判例など受験に役立つ情報を提供する。書き込みもでき、修了生の情報交換の場になっている。
新司法試験では、合格者ゼロの法科大学院が4校あった。その一つ、3人が挑んで果たせなかった神戸学院大は、3人を教育補助職員として採用。報酬を支払い、聴講も認めている。「今年こそ合格者を出したい」と同大学院の担当者。
こうした事情は全国の法科大学院も同じ。専修大は自習室を整備、慶応大は関西大同様、ネットを使って修了生に手を差し伸べる。
今年の試験には法学未修者コース(3年)の修了生も加わるため、合格率はさらに下がる見通しだ。同志社大の担当者は「(不合格者が)これ以上増えると、全員に専用机というわけにはいかない」と早くも気をもむ。神戸学院大の馬渡淳一郎・研究科長も「全員の合格を期したいが、仮に不合格者が出た場合は、有料で講義を聴講できる制度も検討したい」とする。
ただ、合格実績にこだわる傾向の強まりには批判があり、法科大学院の第三者評価機関委員も務める桜田嘉章・京都大法科大学院教授は「新司法試験は、知識詰め込み式の従来の制度の弊害をなくすために生まれたのに、競争主義になっている。一定の到達度を超えたら合格にするなど構造的な見直しをしなければ、大学院はつぶれ、修了生は再び予備校に通う事態になる」と、苦言を呈している。
読売新聞より引用
http://osaka.yomiuri.co.jp/edu_news/20070302kk01.htm